【映画感想】映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて
いやーなんかもうほんとすごかったっす・・・。
キラやば。ええ、キラやばだったんです。
【追記】2020年2月29日
#映画プリキュア
— 沖田 丈7 (@vjoe) February 29, 2020
観ます
自宅で pic.twitter.com/w7Qs9nYKNf
BD届いたんで3回目の視聴したらまた泣いてしまった
なんだほんとこの映画・・・。
【追記ここまで】
●はじめに
通算16作目で主役換算だと14代目のプリキュアにあたるシリーズで
個人的に去年のプリキュアあんま面白くねえなっ(普通のエピソードの完成度の平均点低めと言うか、バランス悪く感じたのよ)て思ってた所にぶっ刺さったスマッシュヒットな一作だったんです。(すごい個人的にね)
かなり素っ頓狂な設定や世界観に見えて実は地に足ついてる作風って言うか
これ、相当高度なバランス感覚してない?って作品だと思ってます。
主人公の趣味が「惑星・天体・UMA・SF」なんですね。
その趣味に没頭する為なら独りでも平気って中学二年生がプリキュア始めて仲間に恵まれましたって話。
要はオタク主人公に分類されるかと思います。
前置き終わり。ぶっちゃけここはどうでもいいです。
●どんな映画だったか
プリキュアの映画って年2回ありまして
「春のオールスター映画」と「秋の単作品映画」の2つで今回は後者の方です。
えー
端的に言うと
「泣かされるとかさらっさら思ってなかったのに、美しくて、尊すぎて、涙が溢れてきた」
「プリキュアはアイドルアニメじゃないけど、アイドルアニメ文脈のライブパフォーマンスをアイドルアニメに比肩するものを用意してきた」
って感じ。
72分という時間を目一杯しっかり使って泣ける下準備を整えて
キッチリ泣ける作品を作ってくれました。
すごい。
●期待を煽る
6月に公開された公式のイメージビジュアルからして今作は雰囲気が違ったんですよ
『うたを歌おう。道しるべとなるように。』
『わたしたちはみんな、旅のとちゅう。』
もうこのイメージビジュアル今観るだけで泣ける。泣いた。(情緒不安定)
5人のプリキュアの内、1人目と2人目だけフィーチャーされているイメージビジュアルだったんです。
例年なら敵に立ち向かう変身ヒロイン達!とか笑顔のみんなとかそういう広告にするところを
すごいしっとりしとしたイラストで。
なんか今年の映画違うぞ!?って感じはありました。
だから、すごい期待してたんです。
そうしたら、本編、中学3年生組の先輩2名と、追加戦士とチーム唯一の男(プルンス)が冒頭で退場するんです。
ついでに、芸能人声優のゲストキャラまで退場しちゃいます。すっげえ割り切り。
もちろん彼女らのファンの為の心配りもしっかりあるんですけど
それも込みで、あくまで、この2人とゲストキャラを中心に物語が描かれるんです。
演出はどれもセリフに頼らずに、表情や動きを使って行われていて。
それがとても自然で、洗練されていて。
それがまさかこんな美しい形で実を結ぶなんてという映画でした。
●プリキュア映画として
プリキュア映画には制約やお約束がありまして
・前説としてちびっこに配るミラクルライトの説明を入れて、劇中でもミラクルライトを使った演出がある
・本編でも行っている変身バンクを入れる
・本編でも使っている必殺技バンクを入れる
・毎回恒例となったCGダンスでエンディングを飾る
とかがあるんですね。
ただ、そのバンクを入れるタイミングをアバンにかなりの部分使って
今作はとにかくドラマを行えるように時間を確保していました。
前述の通り、メインを二人とゲストキャラに絞ってたのもあってドラマの密度が本当に凄かった。
作画も動画も撮影もカット割りも演出も劇伴も挿入歌も何もかも素晴らしくて
音響も、動画枚数を使う所と使わない所のメリハリも。
ぶっちゃけ、バトルの作画が割を食うレベルでバトル以外の所の作画に力が入っていました。
それでいて、バトルも二重底と言うか
スーパープリキュア(二段階変身のパワーアップ形態)を正座の数である12フォームも用意していて
前半戦と後半戦に分けているんですね。
コメディありのドラマもやる、バトルもたっぷりやる。
その両方を引き立てる為のクライマックスが本当に凄かった。
今作はCGダンスを、映画が公開する二週間以上前から地上波で先行公開してて
https://www.youtube.com/watch?v=3EYvyCfujkw
You Tubeでも公開してたんですね。
その時は、普通にいつもと同じようにエンディングがこれなんだなーぐらいに思ってたんですけど
これ、エンディングじゃないんです。
これがクライマックスのプレリュードなんです。
ええ
歴代のプリキュア映画の中でも、涙が出てくるレベルで美しいものが出てくるってのは稀だと思ってます。
今作はその、稀でした。
●歴代最高傑作かどうか
えっとね。
プリキュア映画で「歴代最高傑作」なんて言葉。俺なら口が裂けても使えません。
「最高」ってすると、アレじゃないですか。
他の映画が「最高」じゃないみたいじゃないですか。
これだからプリキュアファンってオオカミ少年扱いされるんすよ。
ああ、今年も最高だったのかー。お前毎年そう言ってんな。って、思われるかもしれないです。
「最高傑作」なんて言葉を今作に使う事はできないんです。
でも「今後10年は語り継がれる映画」だとは間違いなく約束できます。
また同じ事を狙ってやれるかどうかは怪しい変化球でした。
●総評
- 今年は本当に数多の映画があって、涙腺揺さぶる映画も多々あったけど、密度の濃さという点では今年1番だと思います。
- 72分にこれだけ詰め込んだ!という意味で、ほんとすごい映画でした。
- カテゴリ的にはガール・ミーツ・モンスターだと言えます。プリキュアシリーズとしてはプリキュアオールスターズNewStageとかに限らず頻繁にやってるテーマをスタートゥインクルプリキュアでやるとこうなった!という、スタートゥインクルプリキュアらしさがありました。
- めっちゃ感動して泣きました。すごい映画だと全力で推せる映画です。今作。
- じゃあ、本編未見の人が観て楽しいかどうかはわからん・・・自信無い・・・けど、娘と見に来た親御さんは度肝抜かれたと思う。ほんと。
- 悪い所を言うなら、今作は「ミラクルライト」という、女児に持たせて観劇中に振らせる光るグッズの取り扱いは歴代でもちょっと特殊な扱いだったと思います。「観客がミラクルライトを振ったからプリキュアが立ち直った」という使い方ではないんですね。そういう要素よりもドラマ性を重視した作品だと思いました。
- とりあえず、ニチアサ観てる人全員にオススメしたくなる映画でした。ただ、扱うキャラクターの比率はすごい偏ってて、AI(宇宙船)の出番はほぼなくて、プルンス(メンバー唯一の男)の出番も極小です。レギュラーの敵の出番とかアバンで終わるよ。そこは賛否両論あると思います。それでも、1本の映画としての完成度を高める為に平等性を捨てた今作の判断を私は支持したいです。
オワリー